お役立ちコラム

卸売業向けカスタム事例|レス率・原価率入力による売価・仕入値自動計算

Excelや電卓による価格計算をなくし、レス率・原価率による自動計算を実現。卸売業の商習慣に合わせた販売管理システムへ改善しました。


卸売業向けカスタム事例 |レス率・原価率

卸売業では、商品の売価や仕入値を「率」を使って決めるのが一般的な商習慣です。しかし一般的な販売管理システムは「数量 × 単価」入力が基本のため、毎回手計算が必要になり、入力ミスや二重管理が発生しやすくなります。今回は、iToneのカスタマイズによってこの課題を解消した事例をご紹介します。

お客様の課題

卸売業を営むお客様から、現場の入力作業に関するご相談をいただきました。業界では売価・仕入値を以下の4つの要素をもとに決定するのが一般的です。

卸売業における価格決定の基準
標準価格(定価) 各商品に設定されたメーカー定価または希望小売価格
レス率 定価からの値引率。「20%レス」なら定価の80%が売価
卸掛け率 定価に対して仕入れる価格の割合。「60%掛け」なら定価の60%が原価
原価率 売価に対する仕入値の割合。利益率の管理に使用

これらの「率」による価格計算は業界では当たり前の商習慣ですが、一般的な販売管理システムでは対応していないケースがほとんどです。

現場で起きていた問題

① 受注・売上入力のたびに電卓やExcelで単価を計算してから入力する手間がかかっていた

② 担当者によって計算の手順や端数処理が異なり、価格にばらつきが生じていた

③ 見積書・納品書に標準価格(定価)を印字したいが、システムに定価フィールドがなく、備考欄に手入力で対応していた

④ 原価(仕入値)の計算もそれぞれが行うため、粗利の把握が後手に回りがちだった

「数量 × 単価」の入力形式は汎用的に見えますが、卸売業の実務には合っていませんでした。

ご要望

お客様からいただいたご相談を整理すると、次の5点に集約されました。

お客様のご要望(5項目)

☑ 商品マスタに標準価格(定価)を登録したい

レス率を入力すると売価を自動計算してほしい

卸掛け率や原価率から仕入値(原価)を自動計算してほしい

☑ 見積書・納品書に標準価格(定価)を印字したい

☑ できるだけ入力作業を減らし、ミスをなくしたい

特に「率を入れるだけで価格が出てほしい」というご要望は、日常的に大量の受注・売上入力が発生する卸売業ならではのニーズです。

カスタマイズ内容

iToneのカスタマイズによって、卸売業の商習慣に対応した入力フローを実現しました。

① 商品マスタへの標準価格(定価)追加

商品マスタに「標準価格(定価)」フィールドを追加しました。各商品に定価を登録しておくことで、受注・売上入力時の計算の基準として自動的に参照されます。

② レス率による売価の自動計算

受注・売上の明細入力画面で、レス率を入力すると売価が自動計算されます。

【計算例】レス率による売価自動計算
標準価格(定価) レス率(入力値) 自動計算される売価
10,000円 20% 8,000円
5,000円 15% 4,250円

計算式:売価 = 標準価格 ×(1 - レス率)

③ 卸掛け率・原価率による仕入値の自動計算

仕入値(原価)についても、同様に率から自動計算できるようにしました。卸掛け率と原価率のどちらで管理するかは、お客様の運用に合わせて選択できます。

【計算例】卸掛け率による原価自動計算
標準価格(定価) 卸掛け率(入力値) 自動計算される原価
10,000円 60% 6,000円
5,000円 65% 3,250円

計算式:原価 = 標準価格 × 卸掛け率

💡 ポイント:カスタマイズ前は「電卓で計算 → 単価を手入力」という手順でしたが、カスタマイズ後は「率を入力するだけ」でシステムが自動計算します。担当者が変わっても同じ結果が得られます。

④ 帳票への定価・レス率・売価の表示

見積書・納品書の帳票レイアウトを変更し、標準価格(定価)・レス率・売価を並べて印字できるようにしました。取引先から「定価と掛け率を記載してほしい」と要求される場面にも対応できます。

導入効果

カスタマイズ後、お客様から4つの効果をご報告いただきました。

① 入力作業の大幅な時間短縮
従来は電卓やExcelで計算してから数値を入力していました。カスタマイズ後はレス率・卸掛け率を入力するだけで価格が確定するため、入力ステップを半分以下に短縮できました。
② 入力ミスの防止・価格の統一化
担当者ごとの計算ばらつきや手入力ミスがなくなりました。率の入力規則をそろえることで、社内の価格管理が統一されました。
③ 帳票の定価表示に対応
見積書・納品書に標準価格(定価)・レス率・売価を印字できるようになりました。取引先から求められる帳票形式にも柔軟に対応できます。Excelでの別管理が不要になりました。
④ 利益管理の精度向上
売価だけでなく原価も率から自動計算されるため、粗利額・粗利率をリアルタイムに把握できるようになりました。受注段階での採算確認が格段にしやすくなっています。
💡 ポイント:「計算ミスをゼロにする」「帳票を整える」「利益をリアルタイムに見る」という3つが同時に実現しました。どれか1つではなく、入力の上流を変えたことで連鎖的に効果が出た事例です。

まとめ|iToneなら業界独自の商習慣にも対応できます

販売管理システムに求められる機能は、業種によって大きく異なります。卸売業では今回のように、標準的なシステムには備わっていない「率による価格計算」「定価管理」「業界帳票」などが必要になるケースが多くあります。

iToneでカスタマイズ対応できる例(卸売業)

✅ レス率管理(定価 × レス率 → 売価の自動計算)

✅ 卸掛け率・原価率管理(定価 × 率 → 仕入値の自動計算)

✅ 商品マスタへの標準価格(定価)登録

✅ 帳票(見積書・納品書)への定価・率・売価の印字

✅ 粗利額・粗利率のリアルタイム確認

iToneセールスでは、標準機能だけでなくお客様の業務フローや商習慣に合わせたカスタマイズにも対応しています。現在の販売管理システムやExcel運用でお困りの場合は、お気軽にご相談ください。

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