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「Accessをやめたい」と思ったとき、多くの方が真っ先に「代わりに何を使うか」を探し始めます。しかし、移行に失敗しないためには、その前にやっておくべき整理があります。今回は、脱Accessを検討し始めた会社が最初に取り組むべき進め方をご紹介します。
「Accessをやめたい」から始めない
次のような理由から、脱Accessを検討する会社が増えています。
- Accessが古くなってきた
- 作った人がもういない
- クラウド化したい
そこで最初に考えがちなのが「Accessの代わりに何を導入するか」です。クラウドサービスを探したり、Webシステムの見積を取ったり、Accessのデータを移行できる製品を探したりします。
しかし、その前にやっておいた方がよいことがあります。それは「今のAccessが、会社の中で何をしているのか」を整理することです。脱Accessは、新しいシステムを選ぶことから始めなくてもよいのです。
まず「Accessで何をしているか」を書き出す
最初からテーブルやVBA、クエリなどを調べる必要はありません。まずは普段の仕事を書き出します。
- 顧客を登録する
- 見積書を作る
- 売上を登録する
- 請求書を発行する
- 入金を確認する
- 商品を管理する
- 月次の売上を集計する
これだけでも十分です。長年使っているAccessほど、いろいろな機能が追加されています。そのため利用している会社自身も、「Accessでどこまで管理しているのか、実はよく分からない」ということがあります。脱Accessの第一歩は、システム調査ではなく、現在の仕事を見えるようにすることです。
Accessの「外」で行っている仕事も確認する
ここが意外と重要です。Accessを調べるだけでは、会社の業務全体は見えてきません。
- Accessから売上データをExcelへ出力し、Excelで集計している
- Accessで請求書を作った後、PDFにしてメールで送っている
- 入金結果は会計ソフトを見ながらAccessへ入力している
- 担当者の予定は別のExcelで管理している
こうした仕事が残っていることがあります。つまり、現在の業務は「Accessだけ」で動いているとは限りません。Access+Excel+紙+メール+会計ソフト。この組み合わせで一つの業務になっているケースは珍しくありません。
「残したい業務」と「やめたい業務」を分ける
ここで初めて、少し未来の話をします。今やっている仕事を、残したいものと、できればやめたいものに分けてみます。
| ✓顧客ごとの特殊な請求方法は残したい |
| ✗毎月Excelへ転記する作業はやめたい |
| ✗請求書を1件ずつPDFにする作業もやめたい |
| ✗同じ内容をAccessと会計ソフトへ二重入力するのもやめたい |
長年使われてきたAccessには、その会社ならではの大切な業務が入っています。それは新しいシステムでも残すべきです。しかし、長年の運用の中で仕方なく続けている作業まで残す必要はありません。
ここまで整理してから「何に移行するか」を考える
ここまで来て、ようやく移行方法を考えます。選択肢は一つではありません。
大切なのは、最初に製品を決めて、そこへ業務を無理やり合わせないことです。先に現在の業務を整理しておけば、「この部分は標準機能でできる」「ここだけは自社独自なので残したい」という判断ができます。これによって、必要以上に大きなシステムを作ることも防げます。
Accessを全部一度に移行しなくてもいい
脱Accessという言葉から、「Accessを全部なくさなければならない」と思われるかもしれません。しかし、必ずしもそうではありません。特に長年使われてきたAccessほど、一度にすべてを置き換えると影響範囲が大きくなります。業務を止めないために、あえて分けて移行する。これも脱Accessの一つの方法です。
脱Accessのゴールは「Accessをなくすこと」ではない
ここが一番大切です。脱Accessを始めると、いつの間にか「Accessをなくす」こと自体が目的になってしまうことがあります。しかし、本来の目的は違います。
- 二重入力を減らしたい
- どこからでも利用したい
- 複数人で安心して使いたい
- 会計までデータをつなげたい
- Excel集計を減らしたい
- 担当者が変わっても業務を続けられるようにしたい
こうした会社の課題を解決するために、Accessからの移行を検討しているはずです。極端に言えば、調べた結果、「このAccessはまだ使った方がいい」という結論になっても構いません。
まとめ
脱Accessを考えたとき、最初に新しいシステムを探す必要はありません。まず、Accessで何をしているのか。そして、Accessの外で何をしているのか。さらに、何を残し、何をやめたいのか。ここまで整理してから移行方法を考えます。
Accessは長年、会社の業務を支えてきたシステムです。だからこそ、単純に古いものとして捨てるのではなく、そこに蓄積された業務やデータを活かしながら、次の仕組みへつなげていく。それが、無理のない「脱Access」の進め方だと考えています。